12/5にMOVIE ROCKさんより発売となった『善良なる悪しき者』をプレイしました。
ありがたいことに今回もレビューのご依頼をいただきキットを提供して頂きました。
善良なる悪しき者
二葉署に勤務する加賀は、
古びたアパートへと帰宅した。
今日は離れて暮らす息子の大切なお祝いの日。
しかし予想外に長引いてしまった捜査のせいで、
待ち合わせ時間にはとても間に合いそうになかった。
加賀は遅れる旨を伝える為、
息子に電話を掛けるも、どういう訳か繋がらない。
仕方なく諦めて電話を切ろうとしたその時、
部屋の中にも同じリズムの電子音が
響き渡っている事に気付く。
音の出所を探すように視線を落とすとそこには
“見覚えのない小包”が置かれており、
恐る恐る包みを開けると中には、
“息子のスマホ”と“真っ白な封筒”が
入れられていた……

今回の形式としては1月に遊ばせてもらった『あの日のこと』と同じように小説を読みながら進めていくタイプです。

キット
箱のサイズは前回と同じハガキに近いサイズでした。
裏は意味深な新聞記事でした。
内容物は5個でした。
いつものQRコードの載ってるカードとメモ用紙が4枚が、クリアワード用紙、クロスワード用紙、そしてエピソードブック1冊となっています。
本作の特徴
『あの日のこと』と同じように小説を読み進めて要所で謎解きが入ってきます。
今回の大きな特徴として3人の視点から物語が描かれます。
物語的に珍しいと思ったのはホームページにも画像があるように、「この謎解けるかな?」と謎が提示されることです。
物語上で脱出のための仕掛けを解くために謎を解くというのはこれまでの謎解きでも遭遇してきました。
しかし今回は謎を解くように強要してくる手紙を手にします。
他のポイントとしては小説がかなり分厚いです。
全部で90ページあり、これは前作の『あの日のこと』から2倍以上に増えています。
ホームページに「作り込まれた物語の世界を舞台に〜」と書かれているように、今回の物語の作り込みはこれまでMOVIE ROCKさんに遊ばせてもらってきた物の中では最高峰です。
謎の難易度
謎解きの難易度としては少し易しいと感じました。
でもプレイ時間は計測をし始めてからで最長になっています。
まさかの4時間越えになってしまいました。
箱に書かれているプレイ時間は約120分なので、想定されている2倍以上になっています。
難易度易しいとか言っておいて矛盾してるじゃんとなりますが、今回はちゃんと理由があります。
今回は全編音読して思考時間も含めて録音をしました。
音読しているためにかなりの時間をかけることになってしまいました。
録音をした理由としては今回ページ数も多いので黙読だけでは情報をこぼしてしまいそうだったからです。
章ごとに録音を分けておくことで気になった部分を再確認できるようにしました。
メモ等と組み合わせて情報の穴を埋めるのに役立ちました。
キットに4枚もメモ用紙が入っているので、今回は情報を記録しておいてそれを引き出せるようにしておくことが大切でした。
いつものようにクリア後に全てのヒントを確認してきました。
今回も丁寧に書かれており、その場におけるヒントページが残り何ページあるのかも表示されていたため、自分に合った難易度で遊ぶことができます。
(例:ヒント1つ目までは見ていいなどの自分なりのルールを設けてのプレイ)
演出
今回は珍しくムービーはなく全て文字のみで物語が進行していきます。
ムービーが一切登場しなかったのはMOVIE ROCKさんのゲームでは初めてかもしれません。
自分の中では核心を突く部分がムービーになっているのがMOVIE ROCKさんの醍醐味だと思っていました。
しかし今回はそのムービーはありません。
これはそれだけ小説としての出来に自信があるということの表れだと感じました。
実際今回の小説はよくできていました。
また、演出と言っていいのかわかりませんが、チュートリアルが入るのも新鮮でした。
章仕立てになっていることもあり、序盤はやれることが増えた旨を最初に表示してくれました。
やれることを少しずつ増やしていくというのは、一般的な謎解きというよりもRPG等のゲームに近い作りだと感じました。
謎解きは大体最初にできることが全て開示されていて「これができるから後は自分で頑張って」みたいなのが多いです。
それはそれでいいのですが、進むごとに「これまでの行動に加えてこれもできるようになりました」となるのは新鮮でよかったです。
販売店
ホームページにはAmazonのみ記載されていますが、Xを見る限りだと様々なお店で取り扱いされているみたいです。
実店舗は場所によって在庫が異なると思いますのでAmazonで購入するのが確実だと思われます。
価格は2,000円となっており、内容を考慮するとお買い得だと思います。
まとめ
小説+謎解きは2回目となりますが、今回はミステリーとしての完成度がより高くなっています。
毎回言っていることになりますが、おすすめプレイ人数は1人です。
小説を読み進めるということもあって1人で時間を取れる時にじっくりと考えながら遊ぶのがいいと思います。
今回は個人的な目標として決めていたことがあります。
いつも謎解きにおいては流れで真相に辿り着くことがほとんどでした。
しかし今回は、あらかじめ違和感のあるところをしっかりと記録しておいて、その情報と現在の情報を照らし合わせて自分の中での考えの変化を可視化するようにしました。
これは結構上手くいって、自分からの物語の見え方変わったことがわかり、なおかつ最初の考えの方が正しかったりと、普段は通り過ぎてしまう部分がわかって面白かったです。
最後になりますが、MOVIE ROCKさん今回も楽しい謎解きをありがとうございました。






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